2017/10/25
『できない刑事』×早稲田リンクス特別企画、五週連続インタビュー掲載!
――学生演劇と映画のコラボレーションというのは今までにあったのでしょうか。
黒澤:知っている中ではあまりないと思います。
又吉:僕自身も完全に初めてです。ワクワクですね。明日にでもやりたいくらい(笑)。やってみたいことではあったので、本当に楽しみです。舞台が持っている特性と映像が持っている特性を両方活かしたいなと思っているので、そこは僕が映像のほうでアプローチして、こっちの二人は演劇的にどう面白くできるかを考えて、まさにコラボレーションですよね。でも結構難しいです。だから頑張らなきゃいけないんですけど。
――演劇の中の映画、というのはあまり想像がつかないです。
又吉:まだまだこれからなんですけどね。
森平:映像と演劇って全く別物なんですが、今回の企画で一個のエンターテインメントにしたいんです。融合したい。でも観客が違和感を持たないようにしないといけない。
又吉:映画だと、このシーンをこう見ろっていう視点の強制ができるんですよ。それが演劇だとどこを見ていても自由じゃないですか。それから映画だとスクリーンを通してひとつの創作物としてありますけど、演劇では目の前で動いているっていうのも大きく違いますね。今まで前にいた人が映像で出てくるってたぶん変な感覚にはなると思うので。
黒澤:そこで変だなって思わせないよう、むしろそこが面白い、っていう風にしたいです。
――それこそ回想シーンとか。
又吉:それでも使えるし、それ以外でも使うし。とにかく新しい取り組みではあるので、ぜひお楽しみに、ということで(笑)
――では次に、劇中の見どころを教えてください。まずは黒澤さんいかがでしょう。
黒澤:今回は僕が小学生くらいのころから遊びで書いていた物語みたいなものが元になっています。僕は母子家庭だったんですけど、ドラマとかでそういう家庭問題って多く取り上げられるじゃないですか。でも僕は子どもながらに、そこで大人が描いているものは少し違うなという気がしていたんです。大抵「子どもはかわいそう」で片づけられていて、そうじゃないと感じて、もっとリアルなものを書きたいなあと漠然と考えていたんですよね。
――では結構家庭環境の話なんかも出てくるんでしょうか。
黒澤:そうです。家庭の問題なんかを絡めています。自分の中での考えに決着をつけたいという意味もあって。なのでそこに注目して見てほしいです。
――刑事をテーマにした理由はありますか?
黒澤:やっぱり憧れだからですね。『相棒』とか見て育ったので。小さいころは右京さんになりたかったですし。
――森平さん的見どころは?
森平:ずばり、可愛い人とカッコいい人が出てくるところです。
――役者さんに注目ということですね!
森平:今回はありがたいことに、早稲田演劇で一番かわいいと言われる女優さんが主演です。ヒロインというかもう主人公ですね。スズネという女刑事役を演じてもらいます。そして彼女には「相棒」がいます。それが「できない刑事」。愛されキャラです。さらに、普段映像監督としてやっている又吉くんが役者で出てくれるというのもひとつ見どころですね。
又吉:今回は勉強させてもらいます……。一個の舞台に役者として出るのは初めてです。
――今回の公演での目標はなんでしょうか。
森平:今回は、演劇を見たことがない人にぜひ見てほしいんです。
黒澤:結構演劇って敷居が高いじゃないですか。お金がかかるとか、見に行くのが面倒だとか色々あるでしょうけど、でもそれはすごくもったいないと思うんです。早稲田って、そりゃプロには劣りますけど面白い演劇がたくさんやってるし、学生が頑張ってお金貯めてやっているので、見てくれさえすればその熱さが伝わるはずなので、見てほしいですよね。全然演劇知らないって人にも。
――なかなかはじめは行きづらいですよね。
黒澤:映画とかだと一人でも見に行くみたいな人でもなかなか演劇は来ないですよね。
森平:早稲田演劇ってすごく内輪で回ってるんですよ。お客さんも結局早稲田演劇の人ばっかりっていう。あとは出てる人の友達が見に来る、みたいな。その流れを断ち切りたいというのがあります。だから、知らない人に見てもらうために、エンタメ性を高めたりと工夫したいとは考えてます。
黒澤:このインタビューをやってもらっているのも本当にそのためです。ありがとうございます。
――力になれればうれしいです。
黒澤:この記事を読んだ人は、ぜひ、見に来てほしいです! とにかく早稲田は放課後でも空きコマでもフラっと見に来られるところでいつもなにかしら演劇をやっているし、それってすごいことだと思います。
森平:学生会館の地下でやっているものは無料で見られるもんね。
黒澤:今回やるどらま館も、早大生なら誰もが通りかかったことはあるはずの、とても良い場所にあります。それに、将来もしかしたら有名になる俳優さんとかがいるかもしれないですから。すごくお得ですよ。
――普段一緒に授業を受けているかもしれない人たちが舞台に立っているというのも面白いですよね。今回はどんな舞台にしたいですか?
森平:とにかく楽しんで、ワクワクしてほしいです。
黒澤:面白い脚本だから!
森平:そう言われるとプレッシャーですけど。
黒澤:とにかく三人で連携をきちんととって頑張りたいです。今回の映像はちゃんと映画を学んできた人たちにお願いしていてすごいものになっているので、下手すると舞台より映像の方が面白いってことになっちゃうから(笑)。でも、最悪舞台がつまらなくてもそっちで絶対楽しめるから安心して見に来てください。
又吉:いやいや。でも、そこまでつまらないってことはないはずなので(笑)、気軽に来てほしいですね。
森平:ダンスもあるしアクションもあるし。もちろん映像もあるし、舞台美術も今回けっこうお金かかってます。そういうところにも注目してください。
黒澤:僕自身はこうやって早稲田で整った環境で中心となってできるのはこれが最初で最後かなあと思っているので、成功させたいです。ありがたいことに協賛としてついてくださる会社もあったりするので、早大生に限らず多くの人の目にとまってくれたらと思います。
へちま×劇団てあとろ50’企画公演
『できない刑事』
https://stage.corich.jp/stage/85306
2017年11月17(金)〜20(月)
早稲田小劇場どらま館
【主宰・原案】黒澤優介
【脚本・演出】森平周
【映像監督】又吉太一
【ご予約はこちらから】
https://stage.corich.jp/stage/85306/ticket_apply?stage_detail_num=2
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カテゴリー:サークル