2006/08/26
自称グルメの一般学生。推理小説が好きで、探偵に憧れている。丁寧な言葉の裏に、影が見えたり見えなかったり。実は腹黒なのか?
所長の部下の1人。……のはずだがついに1人歩きをし始めた。ガリガリ君を大量に消化した強靭な胃を持つが、果たしてわせ弁には通用するのだろうか。
【第2話】
《前編のあらすじ》
「わせ弁のメニューを制覇したい……」 依頼を受けた男たちに突きつけられたのは、1週間3食すべてわせ弁を食べるという驚愕の調査方法だった! 人間VSわせ弁、その戦いの行方は!?
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3日目。
今日は天気も良く、絶好のわせ弁日和!
なのに、やっぱり皆の予定が合わなくて、夜まで各自好きに食べていただくことにしたの。
……佐藤さん以外。
なんで佐藤さんはダメかって? 昨日の出来事をよく思い返していただきたいわ。
佐藤さんのあの苦しそうな食べっぷり。3食分溜め込んだ上、挙句の果てに残しちゃって。

「もう無理っす……」
こんなんじゃ、ちゃんと食べていただけるのか疑わしいことこの上ない!
そこで、今日は夕方に会う約束をして私の目の前で食べていただくことにしたんです。
16:53、わせ弁の前。隅で待っていると、のっそりと佐藤さんが登場。

のっそり。
17:01、わせ弁購入。朝に昨日の分を食べた佐藤さんは朝食と昼食合わせて2つ買うことに。
佐藤「……あれ、たぬき丼の横になんか小さく、大盛りましとか書いてあるんですけど」
私「あ、それは会議の日に寝坊した罰です。たぬき丼の大盛りまし、見てみたいし」
たぬき丼はわせ弁で一番安いメニューで、使われてる材料は主に白米、天かす、ネギ。このいたってシンプルなメニュー、大盛りましにするとどうなるのか、ちょっと見てみたい!寝坊したのは佐藤さんだし、これくらいはしてもらって当然よね。
佐藤「……」
何か言いたげな顔を見せながらも、メニューに書かれた通り大盛りましを忠実に購入。
その後、自販機で飲み物も購入。今日も佐藤さんは元気にコーラ。なんでコーラ?

コーラ大好き佐藤さん。
17:14、新学生会館エントランスのベンチに腰をおろし、たぬき丼開封。
佐藤「こ、これやばいってー!」
見て思わず叫びが。
ましは普通唐揚が増えるものなのに、たぬき丼で増えたのはなんとかすだったんです!

たぬき丼大盛りまし。白飯:かす=1:1という驚異の比率。
17:16、食べ始める。が、ご飯の姿を見ようと箸で弁当を探ると天かすの量が多すぎてぼろぼろとこぼれてしまう。
佐藤「なんだよこれ……」
17:22、黙々と天かすを崩しながら食べていく。
が、このかすが強い! 食べても食べても減ることがない……。
佐藤「なんだこいつら……」

掘っても掘っても同じ顔……。
17:30、コーラで口直し。でもコーラ。なんてストイックな……。

炭酸はお腹に溜まるんだってご存知?
17:32、ラストの一山をコーラで流し、完食!
もう何もできなそうってくらいのすごい体力消耗っぷり。が、ストイック佐藤さんは意識的にか無意識にか、メンチ弁当のフタを開く。
17:36、開いたものの食べ出さない。思いのほかたぬき丼による胃へのダメージがでかかったらしい。弁当を見て大きなため息。
私「佐藤さん、息出してないで弁当入れてください」

そんなこと言われても……。でかいんだよ、メンチカツが……。
17:37、とりあえず1個だけでも! メンチにかぶりつく。そうそう、その調子その調子!
17:38、
佐藤「……(パタン。)」

試合放棄。
佐藤「無理です。許してください……。夜までにちゃんと食べとくんで……」
言ったわね。なら許したげるわ。
必ず食べること、と指切りをして、また夜にとさよならをしました。
それにしても、本当に佐藤さんって少食なのね。夜、大丈夫かしら?
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夜。
21:57、皆様と合流、わせ弁へ。東城さんは今日も2食みたい。でも……。
王子「今日はなんだか皆さんから余裕を感じますねー」
東城「いや、今日はいける。メニューにカレーあるのマジ助かるわー」
渡会「オレも今日ド楽勝だ」
哀愁「やっぱ今日カレー入れといて正解ですね」
そう、今日はメニュー決めの際、皆で決めた胃の休暇デー。皆1食はカレーを入れ、昨日までとは種類の違う弁当を持ってきているのです! やっぱり、毎日同じようなのばかりじゃ食べれるものも食べれなくなるものね。揚げもの続きだった皆さんにとって、カレーはまさにオアシスなのです。ここでカレーがあるとないでは大違い!!
佐藤「……。かきあげ丼……」
22:34、天気が良いので正門前の階段で食べることに。
22:35、渡会さん、1食めのネギトロ丼を開く。なんとネギトロ丼は具と飯が別々。生ものということで、皆からちょっと心配されながら食べ始めます。
渡会「すごいねー、トロ。違う意味ですごい油のってる」
22:37、東城さん、哀愁さんはカレーを開く。
わせ弁のカレーは、レトルトのパックがそのまま入っていてそれを自分でかける方式! 弁当屋なのにレトルトパックをそのまま渡すなんて素晴らしい潔さだわ!
東城「レトルト癒しだね」
哀愁「揚げものじゃないだけでこんな美味しいとは!」
私「さすがにずっと揚げものじゃ辛いですもんねぇ」
佐藤「……」

思いっきり揚げてあるし……。
22:41、ネギトロ丼を食べていた渡会さん、周囲を見渡しぼそっと一言。
渡会「いやー、食の暴力だねこれ」
22:43、「これ油やばいんだけど」を連発しつつ渡会さん1食め終了。続いて東城さん、佐藤さんも完食!
22:46、哀愁「あーダメだコレ。味変えたい。変えよう」
哀愁さん、そう言い何を思ったかカレーにマヨネーズ投下。えぇぇぇ……。

ああぁぁぁぁぁ……。
22:48、哀愁「全然いけるな」
王子「やっぱりこの人の舌いかれてる……。前も蕎麦にガリガリ君かけてうまいとか言ってたし。おかしいよ絶対!」
22:50、渡会さん完食。
渡会「もうなんか胃が常に重い」
22:54、気づけば佐藤さんがグロッキー状態。わせ弁にまみれた死体と化す。

恐るべし、わせ弁の破壊力……。
22:55、そんな佐藤さんを尻目に、楽々と哀愁さん完食。
哀愁「美味しかったー!」
渡会「……カレーにマヨネーズはないだろ。強すぎる」
22:56、東城さんも完食。
東城「今日で何日目だっけ……?」
渡会「3日目」
佐藤「……」
23:00、容器を片付け、退散。帰り際、ふっと思いついて皆に提案してみたわ。
私「皆さん、明日で折り返しです。せっかくだから時間決めて皆で食べましょうよ」
全員「あー、いいですね!」
私「じゃあ16時くらいで」
全員「了解です」
そろそろ、普通に食べてたんじゃ食べてもらえない! 明日はちょっと、考えましょ。
皆の後姿を見送りながら、私はどうしたら食べてくれるかを一生懸命考えたのでした。
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4日目。
16:00、
約束通りわせ弁前で皆さんと合流。わせ弁を注文。予想通り誰も朝食分を食べていない。
うん、こうでなくちゃ面白くないわ。
東城「すみませーん、メンチ焼肉と唐揚カレー」
私「と、あとしゅうまい弁当!」
東城「!?」
渡会「唐揚焼肉……」
私「あと、早稲田弁当とつくね丼!」
渡会「!?!?」
王子「え、さっきから何なんですかあなた!?」
私「ほら、今日は折り返しなんだし、ここはぽーんと3食一気にやっちゃいましょうよ! オ・ト・コ・な・ら!」
哀愁「……皆3食なんですか? じゃあビーフ焼肉、カキフライ、とんかつ大盛りましましで」
佐藤「え!?」
王子「あ、哀愁さん!? 別に大盛りましましにはしなくていいんですよ!!」
まぁ、哀愁さん男らしいわ! なら、佐藤さんももちろん……!
佐藤「いや、マジ無理っすよ……俺、今日のメニュー全部フライなんですよ……」
あ。そうか、海の日だ!
佐藤「イカ、シーフード、エビフライって……こんなの一気に食べたら死にますよ……」
死なれたら困るので、佐藤さんは1食だけで許されることに。というか、この人自主的に1回3食一気食いしてできなかったからもういいわ。(たぶん今回もできないだろうし)
16:27、東城「どこで食べます?」
私「ちゃんと探してありますよ! 皆さんが絶対に全部食べられそうな場所です」
王子「そ、そんなところがあるんですか!?」
私「はい! 皆さんついてきてくださーい!」
16:39、到着。
全員「……え、ここですか?」
私「はい☆」

ここ。
私「挫けそうになったとき、大隈さん見たらまたやる気出そうじゃないですか」
全員「……」
渡会「……正座?」
東城「だろ、もちろん」
佐藤「もうなんか恥とかないっすよ……とりあえず食うのが嫌だ」
16:46、全員、大隈重信様の前で正座。
道行く人が汚いものでも見るような目で通り過ぎてゆく。
そしてそんな4人を見下ろす大隈銅像……。

その目はどこか厳しい……。
16:47、
全員「いただきます!!」

戦いの火蓋が切って落とされた!!
16:55、ものすごくシュールな光景。何この人たち。皆、何も言わず黙々と食べ続けています。通行人も何も言わないの。人の冷たい視線ってあーゆーのを言うのね。
でも、皆いつもより食べるスピードが格段に早いわ!
哀愁さん、渡会さんはもう1食目完食! 銅像効果に間違いないわね。
16:57、東城さんも1食目完食。
哀愁「カキフライがあっさり感じる」
16:59、が、2食めに入ったとたん皆一気にペースダウン。まだ食べ始めて10分程度なのに相当キツそう。
私「ほら! そういうときこそ、大隈さんを見て!!」
哀愁「(ちら)……でも本当に銅像見るとやる気出るな……。叱咤激励される感じ」

頑張って食べるのじゃ!
17:01、佐藤さん完食。佐藤さんはこれで終了! あなた逃げましたもんね一気食いから。
17:06、哀愁さん、2食め完食。用があるらしく、3食めは後で食べると言い残し去ってしまう。でも哀愁さんだから信用できるわ。ずっと大盛りましましで貫いてるもの、あの方。
17:09、東城さん2食め終了。渡会さんもあとちょっと!
佐藤「……(トン。)はい、3つめ」
渡会「お前今度覚えてろよ」
17:13、3食めにいく前に飲み物が欲しいと、東城さんと渡会さんが買いにいかれる。
17:14、東城「うわ、きったねーなんだここ」
弁当が散らばるこの光景の汚さに驚きつつお2人が帰還。

めちゃくちゃ散らかしてます。(ちゃんと後でしっかり片付けさせました)
17:22、3食めと向き合うお2人。
渡会「あー、もういいわっもうっ!」
東城「皆見て見ぬフリして遠ざかってくしさぁ。もう限界だわ」
どうやら通行人の冷たさが精神的にキツイみたい。

男たちを襲う、嘲笑、冷笑、失笑etc……。
17:41、しかし、そんな冷たい視線にも負けず、渡会さん根性でラストスパート!

あともうすこし!!!
17:42、完食! 漢ここにあり!!!
渡会「おぉわったぁぁぁあああああ! 苦しかったぁあああああ!!!」
魂の叫び。
17:45、そんな渡会さんに対し、一向に弁当が減らない東城さん。
東城「う……。やばい……これ3つ無理だって……」

胃が悲鳴を……。
佐藤「え! どうしたんですか! オレそんな東城さん見たくないっすよ」
東城「お前……っ」
佐藤「いやいや、オレが知ってる東城さんはこんなとこで諦めたりしませんよ」
東城「……」
2秒の間。
東城「いや……食えないもんは、食えないんだよ……」
佐藤「2日目に俺が言ったとき笑いましたよね?」
東城「……あのときは悪かった。だから許せ」
17:53、苦しむ東城さんを見て、渡会さんが一言。
渡会「あれだよねー、コレ自分との戦いだよね」
はい、いただきました! 本日の名言。渡会さん良いこと言いますね!
17:58、東城さん、もう本格的に食べるのを放棄したそう。

「……もう、無理」
私「東城さん、人間持ってる力の2割しか出してないって話ですよ」
東城「いや、もう、本当限界のちょ、ちょっと上きてるんですって! 無理なんですって!」
佐藤「冷えた弁当食うことになりますよー。冷えたわせ弁とかマジやばいっすよ。 唐揚とかあご破壊されますよ!!!」
東城「た、確かに……。それは嫌だ!」
おっ! 東城さんが弁当を掴んだわ! すごい! すごいすごい!
まるでエンジンが復活したかのような食べっぷり! すごい! すごっ……あ。投げた。
18:04、東城さん試合放棄。
18:10、
東城「もう今日はもう、これで……」
半ば死んだ目でそう告げ、去ってゆく。
渡会「これでやっと半分か……はぁ」
もう、若干全員嫌気がさしているわ……。でもまだあと3日! 今日でやっと折り返し。
果たして全員生きて1週間を終えられるのかしら。
あと3日、皆さんが倒れることなく無事わせ弁を食べられますように……。
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5日目。
皆が倒れることなく無事食べられますように、とか祈ってたら私が倒れてしまったわ。すごい高熱。何かの呪いとしか思えない! 呪われそうなことなんて何もしてないのに!
……そんなわけだから、今日は電話で状況だけお聞きしたの。
皆ちゃんと食べてくださったみたいだけど、共通して言えるのは、
『前まですごく美味しかったはずのわせ弁が、最近まったく美味しくない』
って意見。 やっぱり、同じものばかり食べ続けるとこういうことになるのね……。
ところで、東城さんってやっぱりとても素敵な方ね。
私が風邪をひいてしまって胃の調子が悪いって言ったら、東城さんがかけもちで所属している、「ダミーサークル笑い飯」主催で行われる「流しそうめん」が明日なのでよかったら来ませんか? なんてお誘いをしてくださったの! ぜひ行きたいわ!
明日を楽しみに、今日は早く寝なきゃ!
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6日目。 残すところあと2日!
今日は、昨日お誘いを受けた、「ダミーサークル笑い飯」さん主催の流しそうめんに行かせていただくの! 東城さんはその準備でずっと忙しそう……。
佐藤さんは忙しくて来れないんですって。まさか逃げたんじゃないでしょうね?
……でも王子さんと哀愁さん、渡会さんは来れるみたいだからまあいいわ。
19:00、流しそうめんの開催場所、文キャンスロープへ。
うわぁ、すごいわ! 竹があるわ! 流しそうめんじゃない! すごい!!!

すごいです!
笑い飯の皆様はお忙しそうに最終確認をしてらっしゃるわ。東城さんも忙しそう……。
しばらくはきっとお忙しいだろうから、私は流しそうめんを楽しんじゃいましょう☆
受付でコップとつゆとお箸をいただき、そうめんが来るのを待ちます……。
19:34、来ました、そうめん!

ゲットー!
あー、すごく楽しいわ! 何もかも忘れてしまいそう!!
哀愁「……あの、春子さん」
私「……あ? 何ですか?」
哀愁「あの、わせ弁、買ってきたんですけど、どうしたらいいですかね……」
私「……どうせだから、流してみたらいかがです?」
全員「……えっ!?」
哀愁「……」
渡会「……」
東城「……」
全員「流……す?」
20:36、

ざぁぁぁぁ……。
な、なんてシュールな……。
20:36、哀愁「取れた!」

ひょい。唐揚ゲットー!
20:36、
東城「うぉっ取れねぇ!」
渡会「おぉおおっ」

楽しんでる……?
20:36、皆の箸には濡れた唐揚……。
渡会「……」
哀愁「……」
東城「……」

ぱく。
東城「……くっ(思わず苦笑)」
皆さんこれ以上は無理と感じ取ったらしく、流しわせ弁断念。でも、まさか本当にやるとは思わなかったわ。流しわせ弁なんて冗談に決まってるじゃない!
追い詰められると人間何しでかすかわからないわね。
東城さんもお忙しいし、時間の関係もあって後は自由に食べていただくことに。
明日の約束をしてお別れ。
長く続いたわせ弁との戦いも、明日でラスト。明日で最後!
いよいよ、わせ弁制覇のとき!
制覇の道に待ち受けるのは、挫折かはたまた感動か……。
明日、答えが明らかになる!
続く!
【次回予告】
長き死闘に決着が! わせ弁ファイナル、男たちの運命は!?
次回更新は来週9/2(土)です、お楽しみに!
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