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合格体験記

合格体験記 vol.2

【ペンネーム】杏

2006年3月 私立八王子高等学校普通コース(文系・政治経済選択クラス)卒業
同年4月 早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科(3期生)入学


志望に至るまでの経緯科目別対策メンタル面等結果その他最後に・・・


■志望するに至るまでの経緯

○高校受験での失敗
高校受験のとき、私は第一志望だった都立高校を諸事情で避け、安全圏だった都立高校を受けたものの、見事に落ちてしまいました。そのため、高1の春、絶対に行きたくないと思っていた併願の私立高校に泣く泣く入学。当時、私が立てた誓いは「第一志望や安全圏だった都立高校に行った人達の何倍も高校生活を充実させた上で、大学受験で見返してやる」というものでした。

○高校生活(1〜2年)
前述の誓いを達成するため、生徒会に入って生徒会長に挑戦したり、駿台や河合の全統模試を受けて特進コースの人と競い合ったりと、とにかく学校生活でも勉強でも、がむしゃらに走っていた1・2年。特に受験勉強といったものはせず、学校の授業に出て、部活に燃えて、毎日10時間強を学校で過ごすという、そんな毎日を過ごしていました。段々学校が楽しくなっていき、いつの間にか大嫌いだったはずの学校が大好きになっていた……。

○高校生活(3年)
そして、学校の進路指導も本格的になってきた高3の春。
当時の私は『大学受験はしたいけれど、特にやりたいことがない』という状態。ただ、生徒会を通じて「仲間と一緒に何かに向かって一生懸命に頑張ること」を経験して、大学でもそういう熱い経験ができたら良いな、と漠然と思っていました。

そんな私に転機が訪れたのは、進路相談で担任に「将来の視野に入れる」ことを勧められた “NGO()”や“国際協力”の分野についてネットで調べているときでした。
NGO:「Non Governmental Organization」の略。日本語では“非政府組織”と訳され、日本国内では発展途上国の人々に対する人道的支援など、国際的な活動を行っている市民団体を指す。

その時に検索で一番初めに出てきたサイトのNGOに感銘を受けたのです。
そのNGOの詳細は文面の都合上割愛させて頂きますが、設立した方が当時女子大生だったことと、当時できたばかりの組織ながら、運営がとてもしっかりしていたことにとても感動した当時の私。
『大学生でもこんなことができるのか、こんなに一生懸命になれるのか』と思ったし、『国際協力という分野で私に何かできることがあるかもしれないし、それはもしかしたら自分に生きがいを与えてくれるものかもしれない』と思いました。

そんな気持ちから、『私でも出来ることがあるならば、国際協力について学んでみよう、自分が今生きている世界について学んでみよう』と思い、NGO・国際協力・国際政治経済といったものについて学ぶことを決めた高校3年生の杏でした。

○早稲田という大学
早稲田を選んだのは、早稲田のオープンキャンパスを見たときに他大のオープンキャンパスと比べて、学生の“熱さ”や“やる気”を直接感じとることができたからでした。
また、私は高校時代に出会った人達に強く影響を受け、大学でも沢山の人に出会いたいと思っていました。そのため、早稲田という場所は行事で盛り上がり、熱いことを一緒にやれるような沢山の素敵な仲間に出会えそうだ、という期待ができ、「ここなら大きいことができそうだし、自分にはこの大学しかない!!」と直感したのです。その様な思いから、レベルは全然足りていなかったものの、その日のうちに早稲田を第一志望にしました。
そのとき私は、そういう“早稲田大学”自体の魅力に惹かれ大好きになっていて、「絶対早稲田に行くんだ」という思いだけをただ漠然と抱いていました。そしてその大好きな早稲田で特に自分がやりたいことが学べるのは政経の国際政経ではないかと思い、志望学部・学科を決めました。




■科目別対策

私は志望動機にもあるように併願校だった私立高校に通っていました。しかし、家が経済的に苦しい状態にあり、特待生としての入学金・授業料免除によって何とか学校に通わせて貰っていたので、塾・予備校に行ける経済的余裕はなく、大学進学をするには浪人が許されない状況でした。そのため、年間を通して学校のMARCH以上向けの受験講座と独学で受験勉強をしていました。
全ての教科に共通して言えることは「しっかりした基礎事項の上に発展事項は成り立つ」ということです。私立最難関と言われる早稲田ですが、そんな早稲田でも基礎知識が身についてないと解けない問題が多く出題されますし、基礎ができていないと解けない問題ばかり。早稲田という名前を恐れず、基礎をみっちりやって下さい。

<英語>
@単語帳:「データベース5000」
⇒速単も持っていたのですが自分には合わず、学校の受験講座で使っていたこれを1年間使い続けました。電車の中、ちょっとした空き時間などに赤シートで隠して覚えて……という正攻法を繰り返していました。単語って完璧に覚えたのかよく分からないものなので、最初から完璧にしようとはせず、何度も繰り返していく内に記憶を定着させていこう、という楽な考えでやっていました。

A長文問題集:「毎年出る頻出英語長文(日栄社)」「早稲田の英語(トフルゼミナール)」
⇒長文はなるべく毎日解くように夏までは集中的にやるようにしていました。頻出英語長文は文法事項も網羅できるのでおすすめです。多くの大学で出された問題を扱っているので、実践的に使えました。トフルゼミナールの早稲田の英語は、私には難しすぎて泣きそうになりましたが、やっておいて損はないと思いますし、やり終わると少し自信がつくと思います。英作文の対策もトフルゼミナールの英作文のみでした。

B文法問題集:「即戦ゼミ3 英語頻出問題総演習(桐原書店)」
⇒時間が足りなくて、文法はこれしかやりませんでした、というかやれませんでした(笑)。学校の受験講座でも使っていたので、最終的に何度繰り返したか分からない位に繰り返してゼミ3はぼろぼろに。全問正解できるようにとにかく何度も繰り返していました。

Cその他
⇒早稲田政経の英語は会話文が出ると赤本の出題傾向に書いてあったので、赤本を比べて傾向が似ていた、一文の英語の会話文の大問だけ、直前に対策としてやっていました。

<国語>
○現代文:
現代文は大抵の人にとって得点が安定しない教科で、私自身もその一人だったんです。それを克服するためには、正攻法で攻めるしかないと思い、とにかく様々なジャンルや形式問題を沢山解いていました。その際に、何故その答えになるのかという論理構造を突き詰め、分からないことはどんどん先生に聞きながら、理詰めで理解していくように心がけていましたね。受験講座の演習で様々な大学の過去問の演習をしていたので、あまり参考書は使いませんでした。唯一使ったのは、アルス工房から出ている板野先生の「早稲田大学への道」。ちなみに、漢字については学校の通常の授業で常用漢字の漢字テストを1年からやっていたので、それを毎回勉強していた位で、特に対策はしませんでした。

○古文:
授業は過去問演習中心だったので、自分では「マドンナ古文」と「マドンナ古文単語230」と「最強の古文(Z会)」を使用。(「最強の古文」はオーバーワークでした^^;)後は、授業で貰った過去問プリントの束を何度も繰り返し、学校の普通の授業で買った文法の教科書の問題をやり直していました。「あさきゆめみし」を読むと、源氏物語は本当に話がよく分かるので、息抜きに読むことをオススメします☆

○漢文:
受験講座で1学期中に句形を一通り終え、夏休みに完璧にした後、二学期以降は様々な大学・学部の過去問を解いていきました。参考書はあまり使いませんでしたが、「早覚え即答法」を使用。独学でやる人にはおすすめです。漢文はとにかく句形が最重要なので、同じ問題を何度も繰り返すなどして完璧に覚えましょう。ちゃんとやれば得点源にすることを狙えます。

<政経>
受験講座の授業に合わせて勉強していたので、その範囲が授業で終わるときには『@問題集のその範囲を完璧にやりこんである。A疑問点や質問事項はない。』という状態にするように、一つ一つの範囲を完璧に積み上げていきました。参考書は畠山先生の「スパッと分かる政治経済」、「政治経済用語集(山川出版社)」、問題集は「政治経済問題集(山川出版社)」、「実力をつける政治経済80題(Z会)」を使用。政経の全範囲が授業で終わる冬の初めまでそれを続け、年明けからセンターや私大の過去問を何度もやり直し、その際、記憶が抜けている所の確認や知識の積み重ねのため、問題を解きながら余白に関連事項を書いたりして暗記していました。
ちなみに、私が受けた早稲田政経は学部柄、時事問題が出題されると赤本に書いてあったので、時事対策(近年の重大なニュースのあらすじ・背景・問題点などを知っておく)を直前にしていました。時事対策の本は秋頃に出ているものでないと最新事項まで網羅していないので、秋以降に買って対策をすることをお勧めします。私は高橋書店の「時代を読み解く最新キーワード2007年度版」を使っていて、1度目はさらっと読んで、2度目に線を引きながらじっくり読み、3度目はもう一度流れを確認しながら読む、というようにしていましたね。




■メンタル面等

私はとにかく人と話してストレスを解消していました。学校の自習室で勉強していたので、勉強で疲れた時、模試が伸び悩んでいる時などは、同じ独学で頑張っている友達や先生方と息抜きにおしゃべりしたり、相談したりしていましたね。生徒会をやっていたので、生徒会室へ行って後輩達と一緒にはしゃいだりすることも(笑)。遊んでばっかり?と思われるかもしれませんが、これはこれで自分なりの理由がありました。というのは、勿論受験をするのは自分自身だけれど、その自分自身が倒れた時に代わりに受験を受けてくれる人なんていないし、一人で立ち上がることはできません。私は特に精神的に弱い方だったのでなるべく悩みを抱えこまない様にして精神を保っていました。そのために話を聞いてくれたり、支えてくれたりしてくれる人の存在は私にとって必要不可欠の存在だったのです。
自分の受験は終わったのに、受験組のために手作りのお守りを作ってくれたクラスの専門・就職・推薦組の皆。
沢山の生徒を抱えているにも関わらず、夜遅く校舎が閉まるまで話を聞いてくれた先生。
受験前にキットカットと手紙をプレゼントしてくれた後輩達。
休日も毎日お弁当を作ってくれ、あらゆるサポートをしてくれた家族
私にとっての「1年の受験生活」はそういう意味で絆の深い1年でもありました。支えてくれた全ての人には感謝しても感謝しきれないし、そんな絆があったから私は勉強を続けることができたのだと思っています。




■結果

○センター試験(自己採点)
英語⇒184/200  リスニング⇒38/50  国語(現古漢)⇒150/200  政経⇒81/100

元々センターで受かろうとは思ってはいませんでしたが、得意な政経があまり得点源にならなかったのが痛かったです。

○センター利用
【駒澤大学法学部政治学科】・・・合格

【明治大学政治経済学部政治学科(3教科)】・・・不合格

【中央大学総合政策学部政策科学科(センター併用)】・・・不合格

○一般
【駒沢大学法学部政治学科】・・・合格
(初の合格。滑り止めだったものの、合格を携帯で確認した時は本当に嬉しかったです。)

【明治大学政治経済学部政治学科】・・・合格
(英語が絶望的で落ちたと思っていたため、発表日の朝も寝ていました。父に起こされて何かと思ったら、合格していてびっくりしました。)

【中央大学総合政策学部政策科学科】・・・合格
(英語が基準点に達しないと、その時点で不合格になるという厳しい方式。判定も良くなく、出来も自信がなかった。家からとてもキャンパスが近いので、早稲田の合格を知る前までは、もうここに行こうと決めていました。)

【早稲田大学教育学部社会科学専修】・・・不合格
(戸山キャンパスでの試験なのに、地下鉄の出口を間違え、西早稲田キャンパスに行ってしまうという大失敗。泣きそうになりながらも、早稲田リンクスのポストカードをちゃっかり貰い、西早稲田に向かう受験生の人混みを逆走しつつ、戸山キャンパスへ猛ダッシュしました。試験には間に合ったものの、最初の英語が全くできず、絶望しすぎて涙も出なかったです。)

※4月に得点開示をした所、調整後の得点で英語30.7/50、国語33.5/50、政治経済26.1/50でした。合格最低点は調整後の得点で96点だったみたいです。参考までに・・・。

【早稲田大学政治経済学部国際政治経済学科】・・・合格
(山手線が人身事故のため運休となり、別ルートで行かざるを得なくなるというトラブル発生。何とか高田馬場に着けた時は達成感を感じて(笑)、試験の不安はどこかへ消えてしまっていました。発表日は明治と中央どちらに進学するか先生と相談するために学校に登校。前日に教育も落ちていたために受かるとは思っていなかったものの、学校に着くと教室で一人、一応電話をかけてみる。すると、「おめでとうございます」の声が・・・私・担任の先生・親と3回電話をかけた程、私自身も私の周りも受かるとは思っていませんでした。この日は自分の誕生日でもあったので、合格が最高のプレゼントになりました。)




■その他

○模試について
判定がやっぱり気になるところですが、悪くても全く気にしてはいけません。まず、受ける母集団が違うし、問題も実際に出るものとは傾向が違うからです。私自身、早稲田政経はE判定しかでたことがないし、一度だけC判定を出したことのある早稲田教育は落ちてしまいました。受験は何が起こるかわかりませんし、本試で合格点が取れれば良いのです。だから、判定に一喜一憂せず復習をしっかりして下さい! 復習といっても人によってやり方は様々だとは思いますが、私は問題と解説を照らし合わせて読みながら、解説の大事な所に線を引き、もう一度解きなおして丸付けして、間違った所をもう一度解きなおして・・・・・・ということを繰り返していました。

○参考書の選び方・使い方
私の体験で書かせて頂くと、まずどれを選んだらいいのか分からなかったので、学校の先生方におすすめのものを聞いて、幾つか候補を絞りました。その中で実際に書店に行って手にとった上で、一番自分に合いそうなものを選んでいました。自分に合うもの、というのがポイントです。実際、英語の勉強法でも書いたように、私は速単が合わず「データベース5000」を使っていました。一般的に有名な参考書でも人によって合う・合わないがあるので、自分の目で吟味して下さい。使い方としては、とにかく何度も繰り返したり書き込んだりして、一冊を使い込むことが一番大事です。手を広げすぎて中途半端になるよりも、「これだ!」と決めた問題集や参考書を最後まで使いこんで下さい。そうやって使い込んだ参考書を試験当日に持っていって眺めるだけで、とても精神的に落ち着きます。実際、私も早稲田政経の時に一番使い込んだ「データベース5000」と「スパッと分かる政治経済」を持っていき、直前まで眺めていました。




■最後に・・・

私が受験で一番お世話になった担任の先生に言われた言葉で、一番印象に残っている言葉があります。
「お前が受かれば、お前のやり方が合格体験記になるんだ。」という言葉です。

受験生には色々な人がいます。
塾・予備校に通っている人、独学で勉強している人、浪人している人、仮面浪人している人、宅浪している人、皆それぞれの条件で「受かりたい!」という気持ち1つを原動力にして、必死に頑張っています。
そして、ここで示した私の体験も1つのケースに過ぎません。
独学で落ちてしまった人もいるし、塾・予備校に通って受かった人もいるし、落ちてしまった人もいると思います。

そんな中で何故、自分の合格体験記を書こうと思ったのかというと、私と同じように経済的状況等により独学で勉強せざるを得ない受験生に、自分の体験を知ってもらうことで、少しでも勇気と自信を持って貰えたらと思ったからです。
私自身、1年間という受験生活の中で、独学で勉強することに何度も不安を覚え、その度に独学で勉強せざるを得ない自分の境遇や運命といったものを悔しく思い、恨むこともありました。
又、様々な合格体験記を読んでも、塾・予備校に通って合格した人が多く、励まされるどころか、独学の自分にとってはますます自信を無くすもので……。
受験が近づいていくにつれ、高校受験で既に失敗してしまった自分の勉強のやり方に自信が持てず、生まれて初めて勉強が嫌いになりました。

そんな時に励ましてくれたのが、冒頭の担任の先生の言葉でした。
その一言で私は吹っ切れ、その後は最後まで諦めずに勉強を続けることができたのです。
その後、第二志望には落ちたものの、第一志望に晴れて合格することができました。
受験期に受かるとは思っていなかった、私のやり方で。
同じ様に、今不安を抱えながらも頑張っているあなたが受かれば、あなたのやり方が『合格体験記』になるのです。

これを読んでいるあなたは今受験の不安で一杯だと思います。
この参考書で良いのだろうか。
この先生の授業で良いのだろうか。
この勉強法で良いのだろうか。
この勉強時間でよいのだろうか
この高校で自分が受かるのだろうか。
そして自分が本当に早稲田に受かるのか。
そんな不安、持っていませんか?

でも1つ、受験を経験した私が言えることは「受験に近道はないから、『これをやれば必ず受かる』という保障もないし、だからこそ、『こういう状況だから受からない』という確証もない。」ということ。
受験はそのような不安定な状況でどれだけ頑張れるか、という自分の限界が試されるのだと思いますし、不安定だからこそ誰にでもチャンスはあるのではないでしょうか。
諦めない限り可能性はゼロにならないし、変えられない未来はない。甘いかもしれませんが、私はそう信じています。
受験生に一番大事なのはただ「第一志望に行きたい」という、まっすぐ気持ちだけだと私は思います。
その気持ちの強さが受験に立ち向かうあなたの強さになるはずです。絶対に。

伝えたいことは沢山ありますが、とにかく諦めないで、不安に負けないで欲しい。
必死に頑張った1年間は合否の結果に関係なく、必ずあなたの人生の中で誇るべき1年間になるはずです。
私は高校受験・大学受験で、不合格と合格の両方を体験した人間です。
高校受験と大学受験ではキツさも違うのかもしれませんが、第一志望のために必死に頑張ったそれぞれの1年間は合否に関わらず、どちらも今の「私」を構成していますし、誇りに思っています。

苦しい。辛い。逃げたい。そんな思いを抱くことも必ずあることでしょう。
けれど、その山を乗り越えた先にはあなたの目指す場所があるのです。
あなたが大学生活の4年間を過ごしたいと願う、「早稲田の杜」が。
ゆっくりでもいい、つまずいてもいい。それでも前を向くことだけはどうか忘れないで。
しっかりと一歩を踏み出し「早稲田の杜」へ辿り着いて下さい。

私は精一杯応援しています。頑張っているあなたを。
そして来春、一緒に肩を組んで紺碧の空を歌いましょう!!待っています!!




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