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わせにゅーplus

2017/10/19

『できない刑事』×早稲田リンクス特別企画、五週連続インタビュー掲載!

熊川さん笑顔

 

 

黒澤:なるほど。ラッパ屋の作品の中で熊川先生のベストワンって何ですか。

 

 

熊川:ベストワンはネクストワン、次の作品ですかね(笑) まあ、個人的に好きなのは『妻の家族』とかね。なんかばかばかしい家族の話でいいですね。

 

 

黒澤:来年の、紀伊国屋ホールですね(笑) 楽しみです。熊川先生はラッパ屋の活動と並行して教師もされていらっしゃいますが、その両立はどうされてるんですか。

 

 

熊川:これはもう、両立させているとしか言いようがないですね。

 

 

黒澤:混ざっちゃうことはないですか。

 

 

熊川:ありますね。昼休みに台本さらったりとか、でもそういうことはありますけど、うまくやってますね。

 

 

黒澤:なるほど。そうやって続けるのは大変じゃないですか。

 

 

熊川:でも好きでやってるんで。それに授業そのものがパフォーマンスですよね。みんなの前に立って、先生という役をやってますから。でも、それはみなさん同じなんじゃないですか。会社員とか親子を演じてるわけです。

 

 

黒澤:確かにそうですね。その高校では演劇部の顧問もされていますが、高校生に指導していて気を付けてることとか教えていただきたいです。

 

 

熊川:この時代なんでいろいろ気は使ってますよ。セクハラ、パワハラはダメですから(笑) でも、基本そういう風に接したことはないですね。わきまえてます。

生徒たちによく言っているのは、演劇の面白いところは舞台の上なら何でもやっていいんだ、ってことです。取り乱して泣きわめいてもいいし、歯を出して笑ってもいいわけです。何をやってもいいの。日常生活ではいろんな制約を受けているからこそ、舞台の上では自由になることができるし違う人生を生きられるんです。そういうことはぜひ味わってほしいなって思っていますね。ただ、演劇はそこにプラスアルファで表現が必要なので、そこは練習を積んで身に着けていかなきゃいけないところではありますね。

 

 

熊川さん横顔

 

 

黒澤:役作りとかはどういう風に指導されているんですか

 

 

熊川:まずは、自分の役になりきることですね。自分に正直でありつつ、その役になり切ってもらいます。どう動いたらより伝わるとか、どういう声を出したらより伝わるとか、そういうポイントはあります。でも、まず自由になって真っ白になって、舞台の上に立って与えられた役にいかに近づいていくかということをします。

 

 

黒澤:熊川先生の役者としての信念などあればお願いします。

 

 

熊川:終わりはないな、ずっと勉強だなと思っています。ピークはまだまだ先にあって、そこを目指して極めたいです。体が動けば死ぬまで、歌丸さんが理想ですね。がりがりになって、生きてるんだか死んでるんだかわからないけど、やり続けているような。

 

 

黒澤:自分なんて全然やってないのに、熊川先生ほど役者をされていても、ずっと勉強なんですね。

 

 

熊川:そうですね。セリフを言うのも難しいんですよ。相手と会話して相手に向けて言っているのに、相手に向けてセリフを言えてなかったり、相手のセリフを聞けていなかったり、難しいんです。台本になると必ず流れがあるじゃないですか。それをただなぞってしまうんですよね。でも、本当は覚えてることを言っているんじゃなくて相手との会話なわけだから相手をきちんと意識しなきゃいけないんです。それをつい忘れがちになりますよね。黒澤くんもまだ相手に言ってないですね。ぼくもなかなか、ビデオなんか見ると「あ、言ってないや、相手のセリフ聞けてないや」ってなります。

 

 

黒澤:頑張ります。

 

 

熊川:それに、そもそもなんで喋るかっていうとぶつけたい感情があるからとかではなく、その場を気まずくさせたくないからって理由で喋ることが多いですよね。例えば、葬式の場だから悲しいって感情もあるけど、人と一緒にいるときの話すモチベーションは気詰まりにならないようにするため、とか。恋人と2人きりで誕生日に食事をしているときも、祝う気持ちもあるけど沈黙で気まずくならないように喋る、みたいな。だから、舞台でも感情をこめてセリフ言うよりぶっきらぼうに言った方がリアルになることもあるし、その辺の塩梅がとても奥深い気がしますね。悲しいときに悲しい表現をするのも大事だけど、そういうときこそ笑うとか、言葉を飲んでしまうとかそういう表現が重要だと思うんです。そういうのは、ラッパ屋で20年くらいやってやっと気づいて。それ以前はひたすら一生懸命セリフを喋っていたので、今から考えると恥ずかしいですね。

 

 

黒澤:なんか、そこに実感みたいなものつかんでみたいですね。熊川先生ご自身は、役作りはどうされているんですか。

 

 

熊川:まずはいま言ったことを考えますね。この人が喋るモチベーションは何なんだろうって。その人の感情とは別に。その場を乗り越えるために、この人はどういうことを考えてこの言葉を選択したかみたいなことです。それを表現として成立させるのがまた難しくて。最近思うのは、声の出し方って重要だなってことですね。豊かな人って本当にニュアンスがきちんとある声をされてるんです。この前で言うと、井上ひさしさんの『犬の仇討』っていう忠臣蔵の芝居をやっていて、そこで主役をやっていた大谷亮介さんは抜群でしたね。ほれぼれしました。

 

 

黒澤:なるほど。目標みたいなものはありますか。

 

 

熊川:行き当たりばったりですね。でも、ラッパ屋はあと10年くらいは確実にあるだろうから続けるかな。10年たったら僕も70歳くらいになって、だんだん歌丸さんに近づいていきますね。

 

 

黒澤:いま、垣根を越えていろんな団体で交流しながら演劇をしているんですけど、早稲田演劇で活動している学生になにかあればお願いします。

 

 

熊川:早稲田にいた時間はたった4年で、実際引退する時期を考えたら芝居をしていたのは3年なんですよね。でも、60年近く生きてきて早稲田にいた頃の時間の重みは人生の半分以上だと思っています。だから、みんなはそういう時間を生きているんだから、一瞬一瞬を大事にしてほしいです。この先、芝居を続ける人もいれば大学でやめる人もいると思いますけど、1番人生で自由な時間だから思いっきり自分のあらゆる可能性をチャレンジしてもらいたいな、とエールを送りたいですね。

 

 

黒澤:てあとろ50‘が来年で45周年なので、なにかコメントを頂けますか…!

 

 

熊川:すごいですね。てあとろ50‘をつぶさないでください。それに尽きますね。50年60年と続けていってもらいたいなと思います。つぶれそうな時期は多々あったみたいですけどね。てあとろ50’がまだやってるっていうのは支えですよ。本当に。

 

 

黒澤:ありがとうございます。身が引き締まりますね。

この次は角田さんとの対談がありますが、角田さんに質問はありますか。

 

 

熊川:そうですね。角田はてあとろ50‘の1番の出世頭ですからね。歳は7~8個下ですけど、いまだにラッパ屋の舞台見に来てくれます。質問は、そうですね1番好きな映画は何か、聞きたいです。

 

 

黒澤:なるほど。今度逆に、この前に対談させていただいて西川さんから質問をお預かりしているんですが。西川さんですが未だに交流はあるんですか。

 

 

熊川:ラッパ屋、奥さんと一緒に来てくれますし、キャラメルボックスの舞台に誘われれば観に行きますね。西川も大したもんですよ。すごい役者になりましたよね。出てくるだけで面白い。お客さんが和むし、芝居はうまいし、敬愛しています。応援しています。一緒に頑張りましょう、って思います。

 

 

黒澤:ありがとうございます。西川さんからの質問は、熊川先生がすごくかっこいいのでそのかっこよくなれる秘訣は何ですか、だそうです。

 

 

熊川:かっこよくないです。全然かっこよくないから、西川何言ってるんだって。いい加減にしろよという風に答えておきましょう(笑)

 

 

2ショット

 

 

 

へちま×劇団てあとろ50’企画公演
『できない刑事』

https://stage.corich.jp/stage/85306
2017年11月17(金)〜20(月)
早稲田小劇場どらま館

【主宰・原案】黒澤優介
【脚本・演出】森平周
【映像監督】又吉太一

【ご予約はこちらから】

https://stage.corich.jp/stage/85306/ticket_apply?stage_detail_num=2

 

 

 

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カテゴリー:サークル,ニュース

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