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成井豊さん_01 stamp_vol05

Profile

1961年埼玉県生まれ。早稲田大学入学と同時に演劇サークル「てあとろ50’」に所属し、役者・脚本家として活躍。大学卒業後は高校教師として仕事をする傍ら、1985年に演劇集団キャラメルボックスを旗揚げした。しかし1987年には高校教師の職を辞し、脚本・演出家として劇団の活動に専念し始める。現在はドラマ脚本、外部公演の演出、小説の執筆にも幅を広げ活躍している。
演劇集団キャラメルボックス公式HP
http://www.caramelbox.com/

脚本家

成井 豊

Narui Yutaka

大学生とは、人生最後のモラトリアム期間。近年、この自由すぎるモラトリアム期間に甘え、目的を持たずに学生生活を送ってしまう大学生が増えてきているといいます。今回のゲストは、演劇集団キャラメルボックス脚本家の成井豊さん。『演劇』という目的に一生を捧げている成井さんから見た、最近の大学生の姿とは?

どっちかをやるしかない。
入院したくないから、死にたくないから。

――成井さんは高校教師として働いた後にプロの脚本家になったという経歴がありますが、教師を続けていればよかったと思ったことはありましたか。

「それはまったくないです」

――そんなにはっきり言い切れるんですね。

「はい。大学で、つくづく才能がないことはわかったんですよ。同時スタートの『第三舞台』という劇団の脚本家の鴻上尚史さんはあっという間に売れちゃったし。だからあきらめて教師になったんですけど、赴任した先が偏差値37の高校で、『スクールウォーズ』みたいな感じだったんです」

――本当にそんな時代があったんですか……。

「夢と現実のギャップといいますか。僕は現代文の教師になって高校生と夏目漱石とか芥川龍之介を語り合いたかったんですけど、実際に赴任してみると高校生なのに小学校4年生の漢字を教えるところから始まるし、仕事が本当につらくて。だから劇団を作って、週1回でいいから芝居をやろうと思いました」

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