マツリバナシ。

早稲田祭をもっと楽しくするウェブコラム

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マツリ×街

高田牧舎店長 藤田さんインタビュー

早稲田祭は約18万人もの人が訪れるそうだ。マツリによって普段より十何倍もの人が早稲田に訪れるさまは異様とも言える。

早稲田の街に住み、働く人たちはこの二日間をどう思っているのだろうか。今回は早稲田の南門の正面にある飲食店、「高田牧舎」の店長藤田さんにインタビューを行った。

 


 

——早稲田祭は一度中止になった時期があります。そのころも早稲田にはいらっしゃいましたか。

はい、いました。店長になってしばらく経ったころにアルバイトの学生さんたちを雇い始めたんですが、丁度それが早稲田祭がなかったころだったんですね。そのときに働いてた子たちは多分早稲田祭を経験しないで卒業してしまったと思います。

 

——当時の早稲田の雰囲気はどうでしたか。

働いてたのであまりわからないのですが(笑)、以前の早稲田祭は入り口でパンフレットを買わないと入れなかったんですよね。それで、お客さんのなかにパンフレットを置いて行ってくれる人がいたから、それを持って入った覚えとかはあります。詳しいことは正直よく覚えていないのですが……。

 

——早稲田祭がない時期は、この時期に学祭がないというだけで他に大きな違いはなかったということですか。

その時期には体育祭だけはあったので、そんな大きい変化は感じなかったですね。それで授業が休みになったりすることもありましたし。あとそもそもうちのアルバイトも学祭に参加するような団体に入っていない子たちばかりで、以前の早稲田祭にもそもそも関心がなかったんですよね。

 

——早稲田祭復活後に何か変わったこととかはありますか。

やっぱり運営スタッフの代表とかには興味が湧き始めましたね。今年の代表だれなのとかはなんとなく知っています。最近運営スタッフをやっていた人たちが、アルバイトに入ってくれているから、というのもあるかもしれません。

あと、商店街の会合とかに、運営スタッフの代表さんたちが今年の早稲田祭のテーマとかテーマカラーとかを説明しに来てくれるんですよね。「今年は〇〇色でやろうと思います」とか。商店街の方は「早稲田なのになんでえんじじゃないの?」とかよく言っています(笑) 僕はそこまで気にしていないのですが。

 

——やっぱりお店同士でもお話をするんですね。

南門通りのお店同士とかの付き合いはあります。もう無くなってしまいましたが、ultra cafeの人たちとも仲良くさせてもらっていました。

そこで思うのは、早稲田と関係ない人が来るような魅力的な街にしたいということです。早稲田祭がきっかけになって大学を見てみようというのは1ついいことですが、美的な観点で来て欲しいなということはよく考えています。

だから、SWICHみたいな店が増えるといいですね。でも、最近はラーメン屋や油そば屋さんばかり増えていますよね。

 

——商店街の方達は早稲田祭に対してどのような反応を取られているんでしょうか。

すごい楽しそうというか、学生がやることに興味がありそうですよね。

 

——逆に藤田さんはあまり興味がなさそうな感じですが(笑)

早稲田祭とか地球感謝祭みたいなイベントは、友人同士とかサークル同士で出すとかは楽しいんでしょうし、みんながそのあと飲みにいく分だけ稼げばいいじゃないですか。でも商売となると、僕たちが1日だけ早稲田祭でやっても儲けにはならないんですよ。そもそも早大生もみんな早稲田祭に興味あるんですか?

 

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——いや、そうでもないんですよ。そこの休みで旅行行く人とかもいますし。だからこそ早稲田祭を知ってもらおう!というのもこの企画なんです。

そうなんですね。でも僕も全く興味がないわけではないんです。去年は日曜日に休んで、バイトの子がやっている三味線サークルやアカペラサークルとかを観たんです。人多いし、楽しそうだなとは思いましたし。

 

——今回の「マツリバナシ。」で、ライヴイベントのゲストである鹿野淳さんに伺ったインタビュー(http://www.waseda-links.com/wasedasai2017-column/food/)では、「早稲田祭でもフェスみたいに、チケット制で周りの飲食店で食べられるような仕組みがあればいいのに」ということをおっしゃっていました。もしそのようなお話があれば受けますか?

 

町単位で何かをやることに対しては、否定的ではないからやってみたいですね。一回広告研究会の人が、ワセメシのグランプリを決めるようなイベントをやっていましたよね。ああいうのはいいなと思います。
ただ、僕はこの店を飲み屋さんにしたいなと思っているんです。だから、ご飯というよりも、ワインを飲みながらピザをつまんだりできる雰囲気にしたくて。それで「ワセメシグランプリ」は断ってしまったんですが。
僕としては「高田牧舎」をもっと飲みどころとして使って欲しいんですね。昔からご飯メインというイメージでやってたせいで、なかなかそういう感じにはならないんですけど。

 

——早稲田の外から来た人は、この辺のご飯屋さんがわからないっていうこともありますよね。

例えば「GOOD MORNING CAFE WASEDA
」は早稲田以外の人も入りやすいじゃないですか。チェーン店だからというものも多少あるとは思うのですが、ちゃんといろんな人を取り込もうとする努力をしていますよね。初めて来た人も写真付きのメニューがあるからわかりやすいし、実際お客さんも入ってるじゃないですか。

グッドモーニングカフェの店長ともたまに話すんですけど、きちんと人に来てもらうような戦略を考える人がいるそうなんです。それ相応のメニューになっているのがすごいなと思いました。

でも早稲田の街で古くからやっているお店ってそういうのがあまりないじゃないですか。そもそも昔からやっているお店もだいぶ減っているということもありますが、早稲田にいる人たち以外のアプローチという点では店側の努力不足は感じますね。

せっかく早稲田祭にたくさんの人が来てくれたのに、普段と変わらないことしかやらないのはお客さんにも申し訳ないじゃないですか。しかも普段も別に大したことはしてなくて、ただオーダーが入ったメニューを作るってことしかしていないお店は潰れてしまうのではないかなと思いますね。

 

——最後に、早稲田の街のお店にとって、早稲田祭はどのような意味があると思いますか。

 

早稲田祭の価値として僕が認めていることは、いろんな人が来るっていうことです。
早稲田のイメージとして、ちょっとダサいのがかっこいいという風潮があると思います。街で商売をしているとどこか垢抜けない早稲田のイメージがあるせいで、他の街から早稲田に来るということがあまりないんですね。
だからお店としても、せっかく早稲田の街に来てくれた人に対して入りやすくなる努力をして、知ってもらいたいっていうのはあります。普段来る人たちとは多少違う人が来るから、そういう人たちに食べてもらいたいです。そして、またお店に来てもらいたいですね。

 

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